「音楽による子どもの居場所づくり」今年も始動!
昨年度の下半期にトライアルとして活動していた「ジュニアジャズオーケストラ那覇ウェスト」が、今年度から平成29年度沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業「ジュニアジャズオーケストラによる子どもの居場所づくり」(新規事業)として始動しました。
この取り組みは、「音楽」に関心を持つ児童が、家庭環境などに左右される事なく音楽に触れ、楽しめる環境を創出することが大きな目的です。その中で、楽器演奏を習得する過程で、自己肯定感と達成感を感じ、集団での楽器演奏をとおして、協調性や忍耐力を育む、ルーティーン化された空間を子どもたちと一緒に創り上げることを目指します。また、ジュニアジャズオーケストラが地域活動へ積極的に参加することにより、子どもたちの見守りや、地域活動の活性化の一助になれればと思っています。
本事業のスタートにあたり、9月2日(土)那覇市津波避難ビル3Fのダンスルームにて『おしゃべりジャズコンサート&楽器体験』が開催されました。その様子と本事業について「沖縄アーツカウンシル」さんの9月2日付facebookで紹介されましたので、その部分を引用します。
“今年度の二次の採択事業者である(一社)琉球フィルハーモニックによる、「音楽による子どもの居場所づくり事業」のキックオフ『おしゃべりジャズコンサート&楽器体験』会が本日、那覇市の那覇市津波避難ビル3Fにて開催されました。
今夏より、毎週2回(木・日曜日)定期実施されるジュニアジャズオーケストラ那覇ウェストへの募集を目的とした演奏会と楽器体験会でした。
真栄里英樹さん、川上肇さんらをはじめとする県内で活躍するジャズミュージシャンたちによる生演奏に地元から約80人の家族連れが参加、その後の楽器体験会も多いに盛り上がりました。
2008年に樋口(現沖縄アーツカウンシル・プログラムオフィサー)が協力したTOA株式会社とNPO法人子どもとアーティストの出会い(京都)による「音楽と教育の意識調査2008」*(全国の子どものいる男女500名:女性250名、男性250名/30代250名、40代250名(当時))の調査結果によると、『子どもが生きていく上で、最も必要だと保護者が思っている力は「心の豊かさ」で、その力を高めるのに最も役立つ教科は「音楽」という結果』となり、保護者の間に音楽活動によって育まれる心の豊かさが子どもの成長に不可欠であるとの潜在的な期待を持っていることが明らかとなりました。
この那覇ウェストの活動は、楽器を練習するということが目的ではありません。
地域に、子どもが主体的にチャレンジできる取り組みが、多数多様に選択可能な状態で存在していることが、子どもの文化資本**を豊かにするとの理解から、図書館や児童館といった居場所にくわえ、音楽に携わる団体として提供できる、心の豊かな子を育む音楽経験をもたらす第三の居場所づくりに取り組みたいと実現にこぎつけたプログラムです。
「音楽に触れられる”居場所”」として地域の子どもたちに認知してもらい来てもらいたいことから、直接子どもたちと接することになるミュージシャンやフェロー(ボランティア)にも子どもの居場所に関する専門家や実践者をお招きした講座を受講してもらっています。
今後、子どもたちによる演奏は、若狭まつりなどで発表されるとのこと。
ますます目が離せませんね。
詳細は、ジュニアジャズオーケストラ那覇ウェストのFacebookページをご覧ください。
**文化資本:Cultural capitalとは、社会学者ピエール・ブリュデュー(仏)によって提唱された概念で、文化的教養が社会的地位にも影響を及ぼすとした。”