「閖上に捧ぐ」公演報告
8月21日宮城県名取市閖上の「ゆりあげ港朝市メイプル館」にて、仙台フィル団員有志の皆さんと那覇ジュニアオーケストラによる合同ミニコンサートを開催しました。
この日は、朝ホテルを出てから「音楽の力復興センター東北」様からご支援を受けたバスに乗って、震災遺構の『仙台市立荒浜小学校』と、閖上の『日和山』『慰霊の碑』を車窓からの見学と黙祷を捧げて、公演会場の「ゆりあげ港朝市メイプル館」に向かいました。
メイプル館では、津波体験者の閖上港朝市協同組合代表理事の櫻井 広行さんのお話をうかがいました。写真や映像を見ながら津波の恐ろしさと、とっさの判断で明暗を分けたことなどわかりやすく説明してくださいました。そして、『もし、津波が来るとわかった時には、ランドセルも投げ捨てて、車も乗り捨てて、とにかく自分の身体が助かる場所に走ることが大事』という大切な事を教えていただきました。
櫻井さんのお話しの後、リハーサルです。仙台フィルの団員有志の皆さんとはこの時初合わせでしたが、温かく包むような音色に助けていただいて、子どもたちの音色からどんどん豊かな響きを引き出してくださいました。リハーサルの後はいよいよ本番です。会場には、数週間前に完成した閖上の復興住宅にお住いの方、前日のコンサートを聴いてこのコンサートを知って来てくださった方、そして前日一緒に演奏した仙台ジュニアオーケストラの団員も来てくれました。
最初にモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を震災でお亡くなりになった方々に献奏しました。コンサートは約30分と短い公演でしたが、お客様からは温かい拍手やお言葉を頂きました。
コンサート後はゆっくりと余韻に浸る間もなく、新幹線の時間の都合でバタバタとバスに乗って帰る私たちを、仙台フィルや関係者の皆さんにお見送りしていただき、とても嬉しかったです。
本公演開催に当たり共催を賜わりました日本音楽家ユニオン東北地方本部 仙台フィルハーモニー管弦楽団 様、後援を賜りました名取市 様、名取市教育委員会 様、(一社)名取市観光物産協会 様、協力を賜りました(公財)音楽の力による復興センター・東北 様、ゆりあげ港朝市協同組合 様、閖上さいかい市場振興会 様、(一社)ふらむ名取 様、防災教育の市民団体ゆりあげかもめ 様に心より感謝を申し上げます。
被災されました地域の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
※見出しの写真は、私たちの乗ったバスが閖上を走る姿を、今回、三線を貸してくださった武田さんが撮ってくださいました。
震災遺構の『笹直』と『日和山』と『慰霊の碑』が一緒に写っています。